反対派はヘタレだった

http://www.sankei.co.jp/news/050809/sei026.htm

分裂自民新党出遅れ 反対派内に慎重論

 自民党小選挙区制になって初の分裂選挙に突入する。反対派は、無所属では政見放送がないなど選挙戦で不利になるため、新党を結成するとみられている。しかし、いざ解散の事態に直面すると慎重論が出始め足並みは必ずしもそろっておらず、新党結成の行方は不透明だ。

 自民党は8日夜の選対小委員会で、小泉純一郎首相の異例の出席のもと、衆院採決で反対票を投じた衆院議員37人を公認しないことなど、今後の方針を決めた。

 反対派は分裂選挙に新党結成で対抗するとみられたが、午後の郵政事業懇話会の会合では足並みの乱れが出た。亀井久興国土庁長官は新党を視野に意見集約を行う考えを示したものの、藤井孝男元運輸相は「37人で地域事情が違う」と慎重姿勢をみせた。

 平成5年、宮沢内閣不信任案の可決を受けた総選挙で、自民党離党組が、新生党新党さきがけの結成に向け即日動き出したのとは対照的だ。無所属に比べて復党の可能性が低い新党は、所属派閥とも絶縁状態になる恐れがあるとみられるためだ。

 新党結成に言及してきた反対派の平沼赳夫経産相は8日夜、所属する亀井派の総会で「自民党を愛することでは人後に落ちない。無所属でも勝ち抜き、志帥会亀井派)の方と力を合わせ、自民党のために汗をかく」とトーンに変化をみせた。亀井静香政調会長も「志帥会の仲間が助け合って責任ある政治を断行する自民党にする」と述べた。

 強硬な反対派が多いとみられる亀井派でも、賛成派は少なくない。同日午後、賛成派が集合していた同派事務所に亀井氏ら反対派が現れると、賛成派が次々と事務所を出る場面もあり、感情的なしこりは深まっている。

 賛成派の伊吹文明元労相は「(反対派が)無所属なら同志として応援に行けるが、新党だと政策集団(派閥)の論理だけでは応援できない」と述べ、新党結成なら派閥は亀井氏らとたもとを分かつことまで示唆した。亀井、平沼両氏らにとって新党結成は、派閥の主導権を失うリスクがある。

 自民党山梨県連は同県選出で反対票を投じた堀内光雄元総務会長らを党公認がなくても支援する方針を表明したが、これも無所属出馬を後押しするものだ。反対派幹部は夜、「小選挙区組は無所属に傾き、選挙地盤のない純粋比例組は新党という色分けができるだろう」との見通しを示した。そんな現状に「(反対派には)新党をつくるだけの勇気も器量もない。新党はできない。無所属を選ぶ」(山崎拓前副総裁)との冷ややかな声も出ている。

【2005/08/09 東京朝刊から】